今春より江津市内に開校された日本語学校で、タイ出身のガンプンさんにお話を伺ってきました。6年前に留学のため来日し、4月からはこのはなまる日本語学校でスタッフとしてお仕事をされています。学校を訪問すると、ガンプンさんと学校で飼われているかわいい黒ヤギが出迎えてくれました。

ガンプンさんと、黒ヤギのももちゃん

ガンプンさんと、黒ヤギのももちゃん

SIC:島根での暮らしはいかがですか。

ガンプンさん:去年までは松江市内の大学に通っていたのですが、卒業して今年の4月から江津に移り住み、はなまる日本語学校の江津校で働いています。大学ではみんな優しくて、私は外国人だけどとても楽しかったです。島根での暮らしは自分には合っていると思いました。困ることもなかったのですが、時々大都市に遊びに行くときには遠いと感じました。(笑)
実は今、日本語学校の畑で野菜を育てています。私は大学で農業について学んだのですが、実際に畑で機械を使ったことはありませんでした。江津の皆さんはとても優しくて、私が畑の作業をしていると近所の方が教えてくれたり、手伝いに来てくれたりします。本当に親切で、優しいです。今は空心菜やバジル、パパイヤを育てていて、収穫した空心菜は道の駅「サンピコごうつ」にも出していますよ!

SIC:近所の方とのお付き合いもたくさんあるんですね!

ガンプンさん:はい、近所のおばあちゃんによく野菜や椎茸、栗などをもらいます。実は私は料理があまり得意ではないので、栗をたくさんもらったけれどどうやって食べたらいいのか、どうやって殻をむいたらいいのかわかりませんでした。おばあちゃんに相談したら、さっと殻をむいてくれたので、大好きな栗ご飯にしていただきました!色々ともらうことが多く、お礼に空心菜をあげたりして、よく物々交換のようになっています。(笑)
今は校長先生のお父さんの家に住んでいるのですが、近所の人とみんなで草刈りのあとにお祝いパーティーをすることもあります。私は草刈りをしたことがないのですが、料理のお手伝いをして、空心菜をオリーブオイルとにんにくで炒めてみなさんに食べてもらったりしました。空心菜は、サンピコごうつに売っているホルモン焼きに混ぜて炒めても、簡単で最高においしいですよ!(笑)

日本語スピーチコンテストでアピール賞をいただきました! 江津のお父さん、お母さんたちと一緒に。

日本語スピーチコンテストでアピール賞をいただきました!
江津のお父さん、お母さんたちと一緒に。

SIC:ガンプンさんの故郷はどんなところですか?

ガンプンさん:私はタイのロッブリー県出身なのですが、アユタヤから車で1時間半ぐらいのところです。ロッブリーはひまわりとトウモロコシがとても有名で、ひまわり畑にはバンコクなどの大きな都市から観光客がたくさん訪れます。日本のひまわりは夏のイメージが強いですが、タイでは12月に咲くんですよ。日本のひまわりはとても大きいですよね!見下ろすような高さですが、タイではもう少し小さくて、このぐらい(肩あたり)です。品種の違いかもしれませんが。
両親と姉がロッブリーに住んでいて、もう3年ぐらい会っていません。たまに心配して電話をかけてくることもありますが、時々LINEで話したりしているので、寂しくないです。はい、江津にもおばあちゃんたちがいますから。(笑)

アジア☆フェスタ@ごうつにて。はなまる日本語学校チームで出店しました!

アジア☆フェスタ@ごうつにて。はなまる日本語学校チームで出店しました!

SIC:日本に来て、タイとの違いに戸惑ったことなどはありましたか?

ガンプンさん:そうですね、食事のことです。タイではいつも外食をしていましたが、日本では外食は高くて…困りました。タイでは屋台や大学の食堂もあったので、困ることはなかったです。アパートもガスの使用が禁止されていたので、料理はできませんでした。日本の料理は、盛り付けがおしゃれですね!外でも綺麗に盛り付けてパックに入れて売っていますが、タイでは何か買ってもビニール袋にそのまま入れて持って帰るだけです。

SIC:まだ江津に来られて半年ですが、これからやってみたいことはありますか?

ガンプンさん:石見神楽を見てみたいです!まだ見たことがなくて…ずっと見てみたいと思っていました。あとは、そば打ちをしてみたいです。そばは健康にもいいし、白い花が咲いてとても綺麗ですよね。大好きです。

はなまる日本語学校の皆さん

はなまる日本語学校の皆さん

SIC:将来は?

ガンプンさん:今後は、はなまる日本語学校に留学に来る学生の生活指導をしながら、レイシやレモングラス、タイ野菜などを江津で栽培してみたいです。タイ料理の材料として出荷したりできればいいですよね。今も少しずつ試していますが、イノシシに掘り起こされたり、台風で根腐れを起こしたり、最近では裏返していたスイカをカラスに食べられてしまったり…。まあまずは、空心菜をちゃんと育てることからですね!頑張ります。

■最後に
田舎が好きなんです、と言っておられたガンプンさん。休みの日には海に行ったり、温泉に行ったり、最近は習い始めたバイオリンの練習をするのが一番の楽しみ、とお話してくださいました。初めての農業は試行錯誤の連続だそうですが、地域のおばあちゃんたちに助けてもらいながら田舎暮らしを満喫されているようです。まだまだ石見ではメジャーでないものも多いですが、ガンプンさんのタイ野菜が石見を、島根を盛り上げてくれることを期待しています!

(公財)しまね国際センターは~外国につながる人たち~を応援しています